普段は静かな覚王山の街。でも、毎月21日には全く違う顔を見せます。日泰寺参道で縁日が開かれ、びっくりするような大賑わいになります。
この縁日、驚くほどの集客力。お年寄り向けの大イベントといった感じで、「一体どこからこんなにたくさんのお年寄りが集まってくるのー?」と思うほどの混雑ぶり。この日だけは、東京の巣鴨商店街みたいです。まさに、名古屋版「おばあちゃんの原宿」。もちろんお年寄りじゃない方もたくさんいますが、圧倒的にシルバーなカラーで埋め尽くされています。
地下鉄で来る方も多く、いつもはそう多くない覚王山駅の乗降客数も毎月21日はすごいことになってると思います。
今回は2月21日の縁日の様子を。
参道に入ると露店と人の波が見えてきます。
この縁日、参道沿いのお店が表に出店を出しているのはもちろん、名古屋市内、愛知県内どころか、近畿や信州あたりの方々の出店もたくさんあります。いわゆるお祭りの露店とは違って、各地の特徴ある商品が集まってくるという感じ。
手作り感あふれるカラフルなレッグウォーマー
色んな種類の漬け物がラインナップ。
参道沿いのかわいいお店もこの日は露店を出しています。
大人気だったのは海産物のお店。北海道産のもの、近海のもの、琵琶湖産なども。どのお店も人だかりが出来ています。ほんと、年配の方は海産物が大好きですね。
ブルーベリーとか松の実とかの量り売り。おばあちゃんたち、勝手に試食です(笑)。そういうルールなんでしょうね。
長寿人生っていう手ぬぐいがお日さまの光で輝いています。
仏具のお店なんかもちらほらと。
あっ、托鉢の尼僧さんたち。たぶん近隣にある尼僧堂の方々。人ごみの中を淡々とお経を唱えながら歩いていきます。
素敵な苔玉・盆栽用の鉢なんかも売られています。
説明してくれたおじさん、買わなくてごめん。今度必ず買いますからね。
日泰寺の山門が見えるころには、人の波がすごいことに(この日は平日です)。
境内に入るとこれまたすごいことに。
カオスです。チヂミの旗が目立ってます。
本堂近くは植木屋さんが多かったです。
他にも1000円ぐらいのバックとか、日常使いの食器とか、やっぱりご年配の方々のテンションがあがりまくるお店が色々ありました。普通にお祭りの露店に出ているようなたこやきとか、たいやきとかもあり、一方で参道にお店を構える有名なシェ・シバタさんのアップルパイとか、お年寄りじゃなくても、うろうろするだけで十分楽しいです。
この縁日、弘法様の縁日とも言われています。日泰寺の周辺に小さな祠(ほこら)や小屋みたいなのがたくさんあって、それらをひとつひとつまわっていくと、四国八十八か所巡りの代わりになる、といった感じ。日泰寺への参拝だけじゃなく、このプチ八十八か所巡りを目的に来る方も多い様子です。おばあちゃんたちがお地蔵さんや羅漢さんにもお賽銭を置いていきます。
奥に見えるのが弘法大師像。隅っこに控えめに立っているのがまた良い感じです。
頭の上に10円玉がのっかってます。
なんかかわいい。赤が似合ってます。
不動明王をはじめとしたオールスターラインナップ。おばあちゃんたちは、1円玉をたくさん用意していて、お賽銭ポイントに1個ずつ投入しては拝んでいます。きっとこの日のために、1ヶ月間1円玉をストックしてるんでしょうね。とってもかわいい光景です。
露店やお地蔵さんのまわりのあちこちで、「元気だったー?」「生きてたー?」(笑)という会話が繰りひろげられています。プチ八十八か所巡りのひとつひとつの小屋には誰かが座っていて、お参りに来る方々とお茶を飲みながら世間話をしたりもしています。別れる時は「また来月ねー」っていうのが合言葉のよう。お店の方々も、効率良く売ることより、お客さんとのやりとりを楽しんでいるよう。
そう言えば、お店を覗きに行く人々の興味津々な目、お店の方の説明をうなずきながら聞いている様子、買っても買わなくてもお店を離れるときは笑顔、みんな楽しそうです。
この縁日、お祭りのようでもあり、デパートの催事場で行われる物産店のようでもあり、月に1度必ず訪れて顔見知りとお互いの元気な顔を確かめ合ってほっとする居場所でもあり、心配事を話したりお参りしたりすることで心が軽くなる、お年寄りにとっては大切な場なのかも知れないと思います。
どこかに出かけること、人と会って話すこと、あるいは消費することも、大げさにいうと社会参加というか、活き活き生きるために必要なことで、この縁日にはそれを満たす条件が揃っているのかもなあ、と参道を歩きながらぼんやり考えていました。もちろん、普段の買い物は便利に済ませたい人も多いのだろうけれど、縁日での消費には、物とお金をやりとりするだけじゃなくて、「人と逢って話す」というとっても人間的な行為が普通に含まれてる、だからこそすごく魅力的でこんなに人が集まるのだろうな、と思います。
覚王山は高級住宅地でもあるけれど、若いアーティストが創作活動をしていたり、古い商店と今風のおしゃれなお店が混在していたりして、多面性のある魅力的な街です。中でも、この縁日は、すごいパワーを感じます。
おじいちゃん、おばあちゃん達のイベントであることは間違いありませんが、若い人たちも、この熱気、雰囲気を味わうだけでもきっと楽しめます。おいしいものを食べてまわるだけでも十分。
滋賀県から来ているというお店の琵琶湖ワカサギ天ぷら(揚げたて!)、すごくおいしかったのに、写真撮り忘れてました。残念。
時間 午前9時頃から午後3時ぐらいまで
場所 日泰寺参道一帯と日泰寺境内の中まで(名古屋市営地下鉄東山線覚王山駅前すぐから日泰寺境内の中までの約600mの区間)
交通 名古屋市営地下鉄覚王山駅 出口1が参道入口に最も近いです(参考:覚王山駅構内図)。
※車の場合は、駐車場にご注意を。参道は車両通行止め(歩行者天国)になります。参道に面したコインパーキングも時間内は出入庫出来ません。普段参拝者が駐車できる日泰寺境内の駐車場も露店などでいっぱいです。境内裏の駐車場もちょっと厳しいかなと思います。ただし、徒歩5~10分程度離れたコインパーキングなら空きを見つけることもできるでしょう。覚王山駅周辺のコインパーキングの情報はこちら。
※雨天でも開催されます。
太田優子
はじめましてNotariこと太田と申します。
イベント中心にプリンと米粉のおやつを販売しています。
覚王山の縁日にも出店してみたいと思っています。
一般募集はされているのでしょうか?
よろしくお願いします。
Notari
太田
太田優子
すみません、縁日主催者の方だと勘違いしていました。
the manager of kakuozanhouse
いえいえ、お気になさらず。出店できるといいですね。