ものすごく久しぶりの記事更新なのですが、気になったニュースがあったので。
愛知県警は、平成27年6月1日(本日)から、自動車の運転免許を持っている人が酒に酔って自転車を運転した場合、自動車の運転免許を免停にするルールを運用していくそうです。つまり、「自転車」の運転での道交法違反の結果、「自動車」の運転免許に関して免停になりうる(そういう運用を今後はしますよ)、ということですね。
酒に酔って自転車を運転し人身事故を起こした場合は、無条件で免許停止の対象。
その他、運転免許違反歴などを総合的に審査し、将来も飲酒運転をする可能性が高いと判断された場合も、免許停止の対象となるそうです。
免停期間は、30日〜180日間。
道交法103条1項8号の「免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき」に該当するという運用のようです。
参照: 酒酔い自転車は免停 愛知県警が6月から、人身事故など:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)
実際のところ、どれくらいの取締りが行われるのかは未知数ですが、こういう宣言をする以上は検挙される人も出てくるんでしょうね。
最近、自転車の安全運転に関する規制が強化されています。
例えば、平成27年6月1日(これまた本日)に施行された 「自転車運転者講習制度」。
政令で指定する危険行為(14類型)で、3年以内に違反切符による取締りまたは交通事故を2回以上繰り返し行った場合は、「自転車運転者講習」(3時間、受講手数料5,800円)を受講しなければならず、受講しない場合は5万円以下の罰金に処せられます。
ちなみに、14の危険行為とは、
1. 信号無視
2. 通行禁止違反
3. 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
4. 通行区分違反
5. 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
6. 遮断踏切立ち入り
7. 交差点安全進行義務違反
8. 交差点優先車妨害等
9. 環状交差点安全進行義務違反
10. 指定場所一時不停止等
11. 歩道通行時の通行方法違反
12. 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
13. 酒酔い運転
14. 安全運転義務違反
です。
参照 : 愛知県警察/自転車運転者講習
これ以前にも自転車に関する道路交通法の改正が順次行われてきていますが、その内容を知らない人も多いはず。
例えば、平成25年12月1日施行の改正道路交通法では、路側帯の通行に関し、進路左側の路側帯のみ通行可とし、反対側の路側帯の通行は禁止しています。未だに知らない人も多いはず。
右側路側帯の通行は、まっすぐの道の場合も駐車車両がある場合やバイクとの関係などで危険ですが、交差点での車との関係では特に危険。左側を通行する場合よりも危険は一気に高まります。個人的には規制は当然かな、と思います。
参照 : 愛知県警察/自転車の交通安全
一方で、幼児2人を同乗させて3人乗りできるパターンなどが変更されていたりして、色々と規制の内容に追いついていけないというのが一般人の本当のところではないかなあ、とも思います。自転車が歩道を通行できるのがどういう場合なのか、なんて基本的な部分もなかなかわかりにくいですものね。
参照 : 愛知県道路交通法施行細則の一部改正(平成27年4月1日施行)(PDF:360KB) – 愛知県警 (注) PDFファイルが開きます。
自転車の危険運転行為などが原因の事故に社会的関心が高まったり、高額賠償を命じる判決が相次いだりしている昨今、保険加入も含め、自転車利用に関する知識や意識を高める必要はあるのだろうな、と思います。
ただ、自主参加型の自転車運転の講習なんかには、安全運転意識の高い人が参加して、悪質運転をするタイプの人は参加しないでしょう。その辺のジレンマもあっての規制強化の流れなのでしょうけれど、多くの人にとって身近な乗り物、もっともっと広報的なものがあるべきだと思います。ルールの徹底告知がまず先決じゃないかなあ、と。やっぱりみんな知らないですよ。
酒酔い運転に話を戻すと、今回の愛知県警の運用、例えば「運転免許を持っていない人との均衡が保たれていない」なんて声も聞かれますが、そもそも自転車の酒酔い運転は以前から違反行為。理屈上は以前から免停措置も出来なくはなかったけれど実際の運用としてはしてこなかった、でも、昨今の情勢を踏まえて今後は運用として適用に積極的になりますよ、という告知であろうと思います。
私、車も自転車も乗りますが、一滴でも飲酒したら絶対に乗りません。酒はそう弱い方でもないのですが乗りません。道交法違反だということ以前に怖いからです。
飲酒すると、自覚がなくても様々な能力が低下すると思います。
若い頃、家の近所で少しだけ飲んだあとバイクを押して帰ったのですが、途中で立ちごけしました(泣)。もちろん、私が下手なのかも知れませんが、普段はそんなこと一度もなかったのに、気づかないうちにもっていかれました…。やはり感覚が鈍っているんですよね。
色々と不便だという声も聞かれそうですが、何かひどいことになってしまうよりはマシ。私は今後も「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」を徹底して続けます。
余談ですが、何かと交通事故については評判の悪い愛知県。車の運転についても問題は山積しているような…。スピード、車線変更、信号等、基本的なところに問題を感じることも少なくありません。自転車ルールも大事ですが、やっぱりまずは自動車運転の違反検挙の方を実効的にやってもらいたいところですね。車移動の多い私ですが、私も気を付けて運転します。
自転車は素晴らしい乗り物ですよね。楽しく乗り続けるためにも、皆様、マジでお気をつけください。
お客さんに日常自転車に乗っている方も多いので、書いてみました。